亡くなった人の退職金

労働基準法では、「労働者が死亡または退職した場合、権利者から請求があったときは7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない」と退職者への給与等の規定として定められています。(詳しくは「退職者の給与」を参照)

ここでいうところの「権利者」とは、普通に退職した場合にはもちろん退職者本人となりますが、労働者の死亡による場合は遺産相続人のことを指します。

遺産相続人とは、行政解釈では「労働者の死亡した場合の退職金の支払いについて特段の定めがない場合には、民法の一般原則による遺産相続人に支払う」とされています。ただし、同時に「就業規則等において労働基準法第42~43条の遺族補償の受給権者の順位による定めでも問題はない」と解されています。

つまり、労働者死亡した場合の金品の受給権者は就業規則や退職金規定によって、民法の一般原則に従うのか、遺族補償の受給権順位に従うのか、どちらかを定めておく必要があります。

それぞれの受給権の優先順位は次の通りです。

【民法の一般原則による遺産相続人の順位】
①配偶者と子供
②直系尊属(親、親の親、)と配偶者
③兄弟姉妹と配偶者

【遺族補償の受給権の順位】
①配偶者
②子供
③両親
④孫
⑤祖父母
⑥兄弟・姉妹

ちなみに死亡者の最後の給与については相続人からの請求があれば7日以内に支払う必要がありますが、退職金については会社で定めた規定に基づいての支払いで問題はありません。

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