個人事業主や零細企業への影響

新しい法律が成立・施行されると、必ずその影響を受ける人たちが現れてきます。
今回のマイナンバー制度(マイナンバー法)も例外ではありません。

マイナンバー法の施行によって当然、得する人も出てくれば損をする人も出てきます。
得する人はいいにしても、不利益を被る人にとってはこういったことは大問題です。法改正によって廃業に追い込まれてしまうケースも少なくありません。

そして今回のマイナンバー制度の施行でこうした状況に陥る可能性があるのは、経済基盤の弱い個人事業主や中小零細企業であるといわれています。

社会保険の強制加入

マイナンバー制度導入によって予測される不利益の原因として挙げられるのが社会保険の加入です。

現在の法律では、社会保険(健康保険と厚生年金)は個人事業主の場合は原則として5人以上の雇用、法人の場合は1人でも常用労働者を雇用していれば加入する義務がありました。(詳細は「社会保険の加入」を参照)

これはパートやアルバイトであっても一定の条件を満たしていれば、加入要件として扱われていますが、例えば実際には1人の人に給与を支払っているのに2人に支払っているように書類を作成するなど、今まではうまく処理していれば社会保険に加入せずに保険料を節約することができていました。
これは極端な例で、実際には法律違反ですが、役所は書類しか見ないのでこうしたことも可能といえば可能だったのです。

しかしながら、マイナンバー制度が導入されることによって、このような誤魔化しが通用しなくなってくる可能性が出てきます。

個人番号や法人番号の付与によって情報が一元化され、社会保険の加入状況などを細かくチェックされてしまう恐れがあるからです。
こうすると会社(や個人事業主)としては社会保険に加入せざる得なくなり、当然社会保険料の負担という新たなコストが発生してきます。これによって経営の苦しい事業所にとっては廃業に追いこなれかねない事態になってくる、ということになります。

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