人事考課でやってはいけないこと

労働者の人事考課は、「人が人を評価する」という側面がある以上、やはり好き嫌いなどの感情が入ってきがちです。

人事考課を正しいやり方でできなければ、評価される側のモチベーションも上がらず、ひいては会社全体にとっての不利益にもなってしまいます。次に挙げる人事考課でやってはいけない事柄を認識し、評価基準を社内で統一化することが正しい人事考課の確立のカギとなります。

ハロー効果

ハロー効果とは、あるひとつのことが優れていると、他のこともすべてよく見えてしまうという傾向のことをいいます。例えば勤務態度さえまじめであれば、他の評価項目もよく見えてしまうということです。

人事考課ではこうした先入観に捉われた評価をせずに各項目ずつ冷静に見ることが重要になってきます。

寛大化・厳格化傾向

評価する側(上司)が評価される側(部下)に良く思われたいという感情や、高い評価をすればその分モチベーションアップに繋がるのではないかという期待から甘い人事考課になりがちなことを寛大化傾向といいます。

一方で評価する側が優秀であるがゆえに、自分と比較して部下に対して厳しい査定をすることを厳格化傾向といいます。

このようにある種の「傾向」が入っている時点で正当な人事考課が行われているとはいえない状態となりますので注意してください。

中心化傾向

当たり障りのない評価を行うことでどの対象労働者の評価も中心値に集積され、会社として正しい分析ができなくなる傾向のことをいいます。

近時点効果

評価対象期間全体ではなく、直近に起きた出来事にばかり影響されて評価することをいいます。たとえば評価期間の序盤の良い成果を鑑みずに直近の失敗ばかり取り上げて低く評価するなどです。

近親効果

普段から親しく接している者の評価を甘くしてしまい、一方でさほど親しくない者については厳しく査定してしまうことをいいます。

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