未払い残業代問題とは

未払い残業代とは、労働者が法定労働時間を超えて業務を行ったにも関わらず、労働基準法で決められている割増賃金を支払わなかった際の賃金債権の事をいいます。

こうした問題が起こってしまった場合、労働者は最大2年分まで未払い残業代を会社側に請求することができます。

近年、このような労働者からの未払い残業代の請求や労働基準監督署による残業代不払いの是正勧告の件数が急速に増えています。

そして実際に是正勧告が会社側に入ってしまうと、会社側としては「知りませんでした」では済まない事態に陥ってしまう危険性が高いのです。

また労働者からの未払い残業代の請求について法定で争った場合、会社として不利な結果に終わってしまうのが大半です。
それに加え残業代のみならず遅延損害金などの付加金の支払いが生じてしまうケースもあります。

つまり請求や法廷闘争を受けてからでは手遅れで、多くの場合は多額の支払いが生じてしまいます。

未払い残業代問題が増加してきた背景

近年、未払い残業代問題が増加してきた背景には以下のようなことが挙げられます。

 ○ブラック企業の増加による行政のサービス残業の取り締まりの強化
 ○不景気に伴うリストラや失業率の増加
 ○労働者側の会社に対する帰属意識の希薄化
 ○情報化よって労働者にとって未払い残業代請求に関する情報の取得が容易になった
 ○請求方法の多様化(労働基準監督署への勧告、民事訴訟など)


また、未払い残業代問題が起こりやすい会社にも以下のような共通した特徴があります。

 ○離職率が高い
 ○就業規則に残業代の支払い方法を明文化していない
 ○サービス残業や自主的な残業を奨励している
 ○給与明細を発行していない
 ○営業手当のみの支給で、残業代を支給しない

このように残業やそれに伴う給与規定に関するルールが明確化していない会社は、未払い残業代問題に巻き込まれる予備軍であるといえます。

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